専門医、だからこその言葉②
診察の間隔はおおよそ月に一度です。
一般的な病気なら1ヶ月もあれば、大概治っています。
それがME/CFSだと全然です。
出ている症状も、何一つ変わりません。
初診の時に「気長に気長に…。」と言われたものの、
どれ位が気長なのかも分かりません。
専門医の所に来る前にも3~4ヶ月医療機関で一応治療していた訳ですから、
私からすればもう十分気長です。
休職して何ヶ月も経つんだから、もういい加減良くなってくれよ!と苛立ちます。
「先生、良くなるかも知れないって言って下さいましたけど、全然良くなってません。
今日は調子良いと思ったら、次の日はまた逆戻り。
背中も痛いし起き上がれない、良くなるどころか悪くなってるんじゃないかって思う日も度々です。」
とか
「お盆に子供たちが帰省してきたんです。
子供と言っても皆成人しているので、手が掛かる年齢ではないし、
食事だって友達と飲みに行くから必要ない。
何もお世話してないのに、子供が帰った後また一週間位寝込みました。」
とか、診察の度に現状を訴えます。
すると
「昨日今日で比べるんじゃなくて、2ヶ月前と比べたら、なんとなく良くなってるなぁでいいの。」
とか
「子供って言うのはね、帰ってきたらあれしてやろう、これしてやろうと考えてね、
いくつになったからとか歳関係なく、そら疲れるわ!(^^)」
とか…。
何度も言われたのは「そういう病気。」という言葉。
そう…。ME/CFSはどういう病気か、自分はその病気だ…。
なかなか受け入れられてなかったと思います。
頭では分かっていても、以前と違う現実を受け入れられない。
受け入れているつもりでも、事ある度に苛立ったり、焦ったり…。
「患者さん診てて思うのはね、どんな病気でも早く開き直った者勝ち。
なってしまったもの仕方がない~!(^^)」
それは病気になってしまったから諦めるという意味ではありません。
焦っても仕方がないという意味です。
焦りは自分を苦しめるだけ。
繰り返し、繰り返し言われた事で、ME/CFSなんだから、今はただただ休むしかないんだよ、焦るのは自分で勝手にストレスを作ってるということよ、と心身共に休ませる事を最優先に考えれるようになりました。
専門医だからこそ、薬だけで治る病気では無い事を良くご存知で、
患者が理解しエネルギーを温存させるような生活をするように、
ブレーキを掛けてくれたり、仕方のない事となだめてくれたり。
そういう事がME/CFSの患者には、本当に大切で、必要不可欠だと思います。
今思うと私は、ME/CFSを疑って受診した医師に直ぐに病名を付けてもらえた事、
健康診断の時に女性医師から専門医を受診するように勧められた事、
そしてこの専門医に出会えた事、全てがラッキーだったと思います。
そして、感謝しています。
そうでなければ、未だに医療機関をたらい回しにされているか、
今頃寝たきりの生活を送っていることでしょう。