前回から約1年
約1年ぶりの更新です。
この間、社会復帰に向けてリハビリをし、
専門医と色んな薬を試し、
会社の試し出社のプログラムにも挑戦しました。
ME/CFSには、抗不安剤や抗うつ剤系の薬で効果の出る人が多いそうです。
そういう訳で、私も何種類か試しました。
が、私の場合、過眠に偏っている症状がもっと酷くなる、
食欲がなくなる、手足が痺れる、吐き気がする、眠気が出るなど、
今度はそうきますか?という位、様々な副作用が出ました。
そして、副作用が出ると、副作用が消えるまでの間、
当然のことながら、生活で出来ることのレベルが普段より低くなります。
ただでさえ、発症前より低~くなっているのが、
更に、更に、低くなるわけです。
そのことがとてもストレスになりました。
ですから、数種類試したところで、
抗不安、抗うつ系の薬で合うものを探すということは止めました。
私が勤めていた会社は、長期休職したら、
試し出社というプログラムを経てから復帰することになっています。
このプログラムに挑戦しました。
正直、会社の通常業務(通勤+8時間勤務)を出来るまでの回復はしていない、
とわかっていたのですが、
実際どこまでの事なら出来るのか知りたかったし、確認したかったので挑戦してみることにしました。
プログラムの内容は、
4時間勤務を2週間
6時間勤務を2週間
8時間勤務を4週間
というものでした。
出勤・休み・出勤・休み・出勤・出勤・出勤・休み
一週目のシフトです。
初日は翌日どうなるかと、かなりビビッていたのですが、
覚悟していた程の疲労感はなく、拍子抜けするほどでした。
四日目の2回目の休みの日はお出掛けしました。
五日目の出勤もして六日目の朝、
『ちょっとマズいかも』という疲労感があったのでお休みしたのですが、
昼過ぎ、夕方までには回復しました。
7日目出勤し『もしかしたら、4時間勤務はクリア出来るんちゃう?』と
思いながら仕事してました。
ところが、帰りの電車の中で、急に全身の力が無くなり、
座ってもいられない、そのまま横になりたい位になってしまったのです。
2年前のしんどいピーク時の感覚です。
家に帰り着いた時は『どうにかこうにか無事に辿り着いた』という感じで、
簡単な晩御飯の用意はしたのですが、
19時20時には記憶が無くなっていて、目が覚めたのは翌朝でした。
『ヤバい…背中痛いやん…』
疲労感はもちろんですが、体の痛み、喉の痛みも出ていました。
夜になっても疲労感は抜けず、
このまま試し出社を続けると、ME/CFSの振出しに戻ってしまうと判断し、
九日目の朝、会社にその旨を伝えました。
結局のところ、4時間勤務を一日置きに4回でギブアップです。
なんとも微妙な感じ(笑)
そして、退職しました。
休職中の回復度合いから、心の準備は出来てはいましたが、
実際に退職に関わる必要書類の記入や、手続きをしていると、
感慨深いものがありました。
でも、試し出社のおかげで、通勤時間が往復2時間弱だったことを考え、
家の近所で4時間くらいを週3~4日、
これが、今の私の労働の目安、限界なのかなとわかりました。
また、紫外線に過敏に反応しているようで、
5月頃から度々背中が痛くなったり、喉の痛みが出たりしています。
花に水をやる程度の短時間でも、外に出ると、すぐに疲れてしまいます。
ですから、なかなかリハビリが出来ないでいます。
もどかしいと言えばもどかしいのですが、
そういう病気だから仕方がないと割り切って、
無理せず、ゆる~く生活しています。
それでも冷静に、1年前の状態と比べると、
僅かながらでも良くなっていると思います。
以前にも書きましたが、昨日今日の状態で比べるのではなく、
2ヶ月前、半年前、1年前と比較することが大切です。
少しくらいの体調の下降で焦ったり、イライラしたり、
凹んだりすることはなくなりました。
退職した事を専門医に伝えた時、
「時間はかかっても、あなたはもっと良くなると思う 。」と
言ってもらえたので、私もそう信じて、今出来る範囲で生活しています。
今回変化があったことは、以上です。
それではまた…。
今と今後。
現在の私は、異常な倦怠感、背中の痛み、喉の痛み、リンパの腫れからは解放され、記憶力・思考力の低下は年齢相応になっていると思います。
熱は風邪を引いた時しか測らないので、普段どうなっているのかわからないです。
たまに、背中や喉が痛くなりそうな違和感を感じる時がありますが、そういう時は出来るだけゆっくり過ごすと、翌日には消えています。
睡眠障害…これが今でもありまして、過眠が殆どです。
毎日10時間は当たり前で、イレギュラー な事があると昼頃まで寝ていたり、
更に昼寝したりしています。
また、朝眠いのに無理やり起きると、一日中眠くて使い物にならず、
これだけ眠いのだからすぐ寝てしまうだろうと布団に入ると、今度は全然眠れない。
どうすりゃいいのさ!です。
それでも家の中で過ごす日常生活には支障はありません。
日常生活に支障がなくなったから社会復帰出来ると思っていましたが、そうはいきませんでした。
睡眠障害もそのうちの一つですが、最低これだけなら毎日出来るという事が何一つ無いのです。
例えば歩行。昨日は10分 15分歩けたけど、今日は5分も無理。
3日間は1㎞歩けたけど、4日目には外出出来るだけの元気がない、といった具合です。
1日だけなら2~3㎞、たぶんもっと歩けます。でも翌日は無理。
そんな状態ですので、社会生活を送る活動レベルになるようリハビリ中です。
リハビリも目一杯するのではなく、探り探り、少しずつ少しずつです。
専門医も言っていましたし、患者の方々のブログを読んでも、書かれている方が多い事なのですが、
ME/CFSの一番厄介なところは、一旦回復して普通に生活が出来るようになって、
もう薬も要らないねと言うくらい回復しても、突然急降下して振出しに戻ってしまう事があるのです。
しかも振出しに戻った場合は、往々にして初回のようには回復しないという…
ビクビクしながら生活する必要はありませんが、どんなに良くなっても、
『完治した訳ではない』と頭の隅に置いておく必要はあります。
もどかしくて嫌になる時もありますが、専門医の言うように、そういう病気です。
ただ、ME/CFSを含め、病気はアイデンティティーではありませし、
病気には罹っているけれど、病人では無い。
病気に飲み込まれない様に、出来る事をするだけです。
ME/CFSになって良かった~なんて、これっぽっちも思いませんが、
難が付く病気になって初めて知った事、分かった事、
感じた事、考えた事は沢山あって、
それは私にとって、決してマイナスではなく、プラスであり良かった事です。
今、私が発信出来るのはここまでです。
拙い文章を読んで下さってありがとうございました。
このブログがどなたかのお役に立てば幸いです。
変化がありましたら、また発信するつもりです。
リハビリ生活をして、こんな事が効果ありましたとお知らせが出来ればいいな…と思っています。
100%はダメ。
今はインターネットのお陰で、ME/CFSについても情報を得易くなりました。
というより、ME/CFSの情報はインターネットからの情報が頼みの綱ではないでしょうか。
私も自分がME/CFSに罹るまで、聞いたことも無い病気でしたので、必死に検索しました。
すると、ブログを装って人の弱みに付け込むような記事、
何の根拠があってそんな治療をしているの?と思う様な医療関係者の記事、
保険外の診療しか受けられてない方の記事も見つけました。
それらの記事を読んで、以前に書いた女性医師の言葉の意味が良く分かったのでした。
そこで私が色々な情報から試してみたり、独自に試してみたりして、効果を感じた事を紹介したいと思います。
再度申し上げますが、あくまでも“私の場合”ですので、参考になさった結果については一切の責任を負いかねますのでご承知おき下さい。
まず“はじめに。”にも書きましたが症状が酷い時期、
いわゆるインフルエンザの時の辛い状態が続いている時期は、とにかく安静です。
ME/CFSでは、よく積極的安静と言われます。
たまにフッと体が軽くなったように感じる時、あれっ何か動けそうと感じる時もあると思いますが、それは罠だと思って安静にする事を心掛けて下さい。
そこで動いてしまうと、必ずと言って良い程、翌日以降にドンと疲労感・倦怠感が上乗せされてしまいます。
何もしない、積極的安静は努力する事、頑張る事を良しとする教育を受けてきた者にとっては『怠けているんじゃないか?』という気持ちになり、精神的葛藤もあると思います。
私もそんな気持ちになって、なかなか休む事が出来ませんでした。
でも動いては悪化するということを何度か繰り返して、
これは自分で回復を遅らせている行為だと反省しました。
安静は怠けているのではありません。
ME/CFSという病気には、積極的安静を無くして回復はないのです。
そして、是非試して頂きたいのが耳栓とアイマスクです。
これは私が、もっと早いうちから使っておけば良かったと思った物です。
こちらの記事にも書きましたが、あらゆる刺激に過敏に過剰に反応しているので
me-cfs.hatenablog.com 耳栓やアイマスクを着けることで、刺激を遮断、軽減出来ると思います。
そういう意味では、テレビの付けっ放しや音楽の掛けっ放し、〇〇しながら〇〇するといった事も避けた方が良いと思います。
家事の途中で疲れてしまった時に、耳栓とアイマスクを付けて休憩すると、付けないで休憩した時より楽になりました。
寝る時や、家族がテレビを見ている時など、ちょっと静かにして欲しいなという時も使いました。
私が診てもらっている専門医は、
「試してみよか、と思う事は何でも試したらいいよ。試して良さそうと感じたら、しばらく続けてみたらいい。」という考えでした。
ME/CFSを治す薬は今のところ無いですし、Aさんには効果があったけどBさんには効果が無いという事が多い 病気でもあります。
面白かったのは、牡蠣料理のバイキングに行ったんです。私、牡蠣大好きで(笑)
生牡蠣、蒸牡蠣、焼牡蠣、アヒージョ、リゾット、その他沢山食べました。
すると、翌日から一週間位、とても調子が良かったんです。
専門医にその事を言うと
「しじみが良いと言う人はいたけど、牡蠣は聞いた事が無いね。
でもあなたが良いと感じたのなら続けたらいいよ。」と言ってもらいました。
が、牡蠣ばかり食べる訳にもいかず、続けはしませんでしたが、
何度か牡蠣バイキングには行き、行くとやはり翌日からしばらくは調子が良いと実感しました。
薬に関しても専門医は協力的でした。
私は背中の痛みがとても辛くて、痛いと気力がやられるんですよね。
痛みは前向きな気持ちを潰します。
患者さんのブログの中に、ビタミンB系の薬とあったので、次の診察の時に
「患者さんのブログで〇〇と言う薬を見たのですが、飲んでみたいです。」と言ったら
「僕はその薬が効果あるとは思わないけど、試してみたらいいよ。」と処方してくれました。
飲み始めると、何となく効いてる気がして、痛みは出たり消えたりしながら、数ヶ月後には消えました。
インフルエンザの辛い状態が続かなくなってきたら、動けるんじゃない?と動きたくてウズウズしますが、そこでも動けるだけ動いてはいけません。
本当にME/CFSの不思議というか、意地悪なところなのですが『何か調子が良い』と感じる日はいくらでも動けるんです。
全然疲れない、だから動く。
すると翌日またドーンと逆戻りします。
一日で回復すれば良いですが、何日も掛かる場合もあります。
最悪は振出しに戻ってしまいます。
ではどうするか?
出来る・動けると思う事の6~8割で止めて置くのです。
もっと少なくてもいいでしょう。
実際に動き出したらまだ出来そうな気がしたから増やす…これは絶対にダメです。
始めは2~3割で止めて置いて、様子を見ながら徐々に増やしていくのもいいかも知れません。
翌日にドッときたらそれは動き過ぎです。
私が何度となく失敗をして学習したのはME/CFSに心地良い疲労感は無いです。
私は、今まで心地の良い疲労感を感じる事で、達成感や満足感を得られた、達成感と疲労感はセット物でした。
ですがこの病気になって以来の疲労感は、心地の良いレベルのものは無く、
『疲労感が無い』か『ぐったりしんどい』のどちらかしかなくなってしまいました。
それは少し寂しく思っています。
そうは言っても、日常生活に支障を感じないレベルまで回復出来たのは、心から嬉しいです。
経過と壁。
専門医の診察を受けるようになって、約10ヶ月後には自宅での生活には支障なく過ごせるようになっていました。
私の症状で一番先に消えたのは、リンパの腫れでした。
その後まる3ヶ月位で、そういえば最近背中が痛くないと気付き、喉の痛みもいつの間にか消えていました。
専門医に言われた通りに、2ヶ月前の状態と比べるようにしていると
『そういえば〇〇の症状を感じなくなってる。』と気付く…そんなパターンでした。
自宅での生活には支障を感じなくなったので、自分では『これだったらパートか、時短のアルバイト位は出来るんじゃない?』と思っていました。
日常生活を送れるようなると、欲が出てくるといいうかやっぱり社会復帰したいのです。
「最近社会復帰の事を考えてるんですけど…。仕事しなくなって1年以上経つし…。」
専門医は
「この病気の特徴はね、翌日に疲れが出るって事でしょ?
なかなか難しいけど、毎日少~しずつ負荷をかけて体力を付けていくようにしてみたら?
これは一般的なリハビリの様に、何をどれだけという様なメニューを作ってすればいい、というものじゃないからね。自分で加減しながらね。」
『ふむふむ…。じゃ、とりあえず毎日1㎞~2㎞歩いてみようかな。
それ位なら出来るわ。自宅から一番近いスーパーが片道500m位だから丁度いいわ。』
そう思って毎日買い物に歩いて行く事にしました。
一日目、二日目…『全然大丈夫。』
三日目…『距離増やしてもいいよね。』
四日目の朝…『しんどい…疲労感が出てる…。何で?何でなん‼』
たった1㎞。仕事して更に歩いた訳じゃない。
家に居るだけ、何もしてない人がたった1㎞を三日しか歩けない…。
『あかんやん。全然あかんやん!社会復帰なんて全然程遠いやん!』
よくよく考えてみると、日常生活に支障がないのは、支障が出ない様に生活しているからなんです。
毎日しているのは洗濯くらいで、掃除は隔日。
それも気になる所だけで隅から隅までではありません。
食事の用意も成人ばかりの世帯ですから、朝は菓子パンとコーヒー、ご飯に納豆など各々で済ませてくれてます。
昼食は基本私だけですので、軽く済ませるか、都合が合えば友人を誘ってランチに出掛けます。
夕食は週の半分を夫がしてくれています。
たまにお出掛けをした翌日は、ほぼほぼ家から出ずに過ごしてます。
活動レベルを低~くしているから、支障がない。
又疲労感が出てもゆっくり休める環境に居るから回復しているのです。
それをすっかり忘れて、治ったかのように思っていただけでした。
リハビリを始めて改めて、自分はME/CFSなんだ、難病なんだ、治らないんだ、
なんか勘違いしてた、良くなったって浮かれてた…と思い知らされた気がしました。
だってね、それが当たり前になっていたからすっかり気にならくなっていたのですが、睡眠障害はずっと続いてるんです。
不眠は薬で調節出来るので頻度も減っているのですが、過眠に偏っているんです。
予定外の事、例えば親が入院したので、自分の予定プラス送り迎えをしたとか、
留守中の実家の用事をした等の翌日は昼寝もしているんです…。
社会復帰は無理って気付けよ!
家事もまともに出来ない、パートやアルバイトすら出来ない。
そんなの犬や猫と変わらない、社会どころか家族にも貢献出来ていない…。
こんなんで生きていて良いの?生きている意味ある?
それでも思い出して?1年前は歩いてスーパーに行く事も出来なかったのよ?
ただただ横になってるしかなかったのよ?
それを考えれば随分良くなってるじゃない。
1年よ、1年。1年掛ってこの程度。
これからもっと良くなる?今が良い状態のMAXなのかも知れないじゃん。
出来ない事に目を向けるんじゃなくて、出来る事に目を向けようよ。
自分で自分にどれ程言い聞かせても、全然ポジティブに思えなくて、
心は暗闇に入って行きました。
1年という節目の言葉が、この時の私には重かったです。
暗闇から抜け出すのに、3ヶ月掛かりました。
専門医、だからこその言葉②
診察の間隔はおおよそ月に一度です。
一般的な病気なら1ヶ月もあれば、大概治っています。
それがME/CFSだと全然です。
出ている症状も、何一つ変わりません。
初診の時に「気長に気長に…。」と言われたものの、
どれ位が気長なのかも分かりません。
専門医の所に来る前にも3~4ヶ月医療機関で一応治療していた訳ですから、
私からすればもう十分気長です。
休職して何ヶ月も経つんだから、もういい加減良くなってくれよ!と苛立ちます。
「先生、良くなるかも知れないって言って下さいましたけど、全然良くなってません。
今日は調子良いと思ったら、次の日はまた逆戻り。
背中も痛いし起き上がれない、良くなるどころか悪くなってるんじゃないかって思う日も度々です。」
とか
「お盆に子供たちが帰省してきたんです。
子供と言っても皆成人しているので、手が掛かる年齢ではないし、
食事だって友達と飲みに行くから必要ない。
何もお世話してないのに、子供が帰った後また一週間位寝込みました。」
とか、診察の度に現状を訴えます。
すると
「昨日今日で比べるんじゃなくて、2ヶ月前と比べたら、なんとなく良くなってるなぁでいいの。」
とか
「子供って言うのはね、帰ってきたらあれしてやろう、これしてやろうと考えてね、
いくつになったからとか歳関係なく、そら疲れるわ!(^^)」
とか…。
何度も言われたのは「そういう病気。」という言葉。
そう…。ME/CFSはどういう病気か、自分はその病気だ…。
なかなか受け入れられてなかったと思います。
頭では分かっていても、以前と違う現実を受け入れられない。
受け入れているつもりでも、事ある度に苛立ったり、焦ったり…。
「患者さん診てて思うのはね、どんな病気でも早く開き直った者勝ち。
なってしまったもの仕方がない~!(^^)」
それは病気になってしまったから諦めるという意味ではありません。
焦っても仕方がないという意味です。
焦りは自分を苦しめるだけ。
繰り返し、繰り返し言われた事で、ME/CFSなんだから、今はただただ休むしかないんだよ、焦るのは自分で勝手にストレスを作ってるということよ、と心身共に休ませる事を最優先に考えれるようになりました。
専門医だからこそ、薬だけで治る病気では無い事を良くご存知で、
患者が理解しエネルギーを温存させるような生活をするように、
ブレーキを掛けてくれたり、仕方のない事となだめてくれたり。
そういう事がME/CFSの患者には、本当に大切で、必要不可欠だと思います。
今思うと私は、ME/CFSを疑って受診した医師に直ぐに病名を付けてもらえた事、
健康診断の時に女性医師から専門医を受診するように勧められた事、
そしてこの専門医に出会えた事、全てがラッキーだったと思います。
そして、感謝しています。
そうでなければ、未だに医療機関をたらい回しにされているか、
今頃寝たきりの生活を送っていることでしょう。
辛さ②
伝わらない辛さ。
どんな病気でも、結局はなった本人にしか分からない。
相手が身内でも、医療従事者でも、知人でも友人でも、理解出来る人と理解出来ない人はいます。
髪の毛が不自然にまばらにしかない、とか
体の一部が無いとか変形してる、とか。
車椅子に乗っているとか、鼻にチューブを付けているとか。
一目見てすぐに、何かしら病気になったんだろうな、と想像できます。
でも、内部障害や難病のほとんど、難病でなくてもほとんどの病気は見て分かるものではありませんよね。
それに、大人です。
暗い顔してるのは嫌だし、人と話をする時は笑顔で明るく振舞います。
すると「なんだ元気そう。」とか、「好きな事してる時は楽しそうやったやん。」とか…。
どうやら病気に罹った人は、わかり易い病人のイメージでないといけないみたいです。
「気持ちの問題じゃない?」とか、
「楽しい事は出来るんだ。」とか、
「更年期でもしんどいよ。」とか…。
ひと月のほとんどがぐったりで、僅か数日のちょっと体調が良い時に話をしたり、
外出したりしている、それにちょっと無理もしています。
病気になると、楽しんだり笑ったりしてはいけないのでしょうか?
病気にはなったけど、病人になった訳ではない!
自分なりにME/CFSの事を上手に説明した…と思っていても、
次の機会に話をすると「精神的な病気って大変ね。」と言われ、
結局そう思っていたのか…と、がっかりする事も何度もありました。
そんな事が度重なってくると
『どうせ病気になるなら、癌の方が良かった。』とか
『どうせ治らないんだから、指定難病の方が良かった』と思った事があります。
癌だったら、とりあえず大変な病気だと誰しも思うし、
切ったり取ったりすれば完治する事もあるし、
治療も“癌と闘う”ってイメージし易いし。
指定難病なら、何らかの公的援助があるけど、
ME/CFSなんて何も無い、ただただなって損なだけ…と。
でも思いました。
それこそなった事が無いからそう思うだけ。
どんな病気でも、なった本人にしか分からない辛さがあるはずです。
病気を比べるなんて、何の意味もありません。
結論!理解して欲しいとか、理解してもらおうとか、思わない事!(笑)
考えてもみて下さい、ME/CFSに罹っている本人にさえ、分からない病気です。
『あらっ?何か動けそうな気がする』と掃除機を掛けただけで翌日から1週間動けなくなったり、
その時間まで調子が良かったから『今のうちに買い物しとこう』とスーパーに行ったら、 1周回るまでに体が重くなって『誰か迎えに来て( ノД`)…』状態になったり、
『何でやねん!』と自分で自分に突っ込む事だらけです。
自分でも分からないんだから、ほかの人に理解出来るはずが無い!のです。
理解して欲しいと力説したり、理解されないと悲しくなったり、
そんな事はエネルギーの無駄遣いです。
この記事に書いたように、ME/CFSはエネルギーが貴重な病気です。
無駄にエネルギーを使ったり、自分でストレスを作ったりはやめましょう。
専門医、だからこその言葉①
専門医の初診から2週間後、再診。
2週間薬を飲んでどうだったか聞かれました。
「うーん…、元気にはなってません。疲労感も背中の痛みも全然変わらずです。
でも気のせいか、なんとな~く効いてる気がします。」正直に答えました。
「ん?あなた良くなるかも知れないね。」
「えっ⁉」
「今まで良くなっていった患者さんの多くが、なんとなく効いてる気がするって言った人だった。」
「えっ⁉そうだったら嬉しい、そう信じます!」
その頃ネットで見ていたME/CFSのデータでは、
患者の4割が寝たきり又はほぼ寝たきり、社会復帰出来ているのは約2割、
とあったので、私はその2割に入ってやる!と思えました。
心はスキップしてました。
本当に嬉しかった。めっちゃ嬉しい!
帰宅して熱を測ると38.2℃。
『なんでやねん!』
辛さ①
出来なくなる事は何一つないが、何もかもが思うように出来ない。
はい、これがまず初めにやってくるのではないでしょうか。
例えば、洗濯物干してる途中でバッテリーの電池がなくなってしまいます。
光や紫外線にも過敏に過剰に反応するので、天気が良ければ良い程しんどかったです。
全部干してしまうのは無理…と疲れて休憩するのですが、なかなか再び動けるようになりません。
やっと動けるようになったのは夕方です。
そこで考えます。
今あるこのエネルギーを 洗濯物を干す事に使うか、夕飯を作る事に使うか…。
『洗濯物の残りは明日また洗いなおそう、食事の準備をしなくちゃ。』
夕飯の準備に取り掛かります。
『えーっと、お味噌汁の具は』と野菜を冷蔵庫から出します。
『おかずは…』と冷蔵庫から材料を出します。
流し台の上に材料が並びます。
『ん?どうしたらいいの?これ。』
味噌汁とおかずを作りたいのは分かっているんです。
何から始めたらいいのか、何をどうしたらいいのか、頭がパニックになるのです。
『ちょっと待って、落ち着いて。』と考えるのですが、一向に分かりません。
下手するとそれでまたしんどくなって、ソファーに座ります。
もう一度流し台の前に立ち、『味噌汁を作る!』と決めます。
野菜を切り終えました。
…で気が付くのです。
『お湯を沸かしていない…。』
鍋に水を入れお湯を沸かします。
お湯が沸くまで何をしているか?
じっと見ているんです、お湯が沸くまで。
お湯が沸いたのを確認をして、野菜を入れて、味噌を溶き入れて、
味噌汁を完成させてからしか、おかず作りに取り掛かれないのです。
一つずつ、一つずつしか出来ないのです。
今までしていた様に、効率を考えてしようとすると、
頭に血がのぼったように熱くなって、固まってしまうのです。
そんな調子ですので、もの凄く時間が掛かりますし、一品作るのがやっとです。
(料理が出来ないと分かってからは、味噌汁はインスタントに変えました。)
家事は休憩しながらしか出来ないので、一日かけて洗濯又は夕飯の支度(おかず一品)のどちらか出来たらいい方。
掃除は何週間かに一度、トイレだけとかリビングだけとか、
どこか一ヶ所掃除機掛けるだけで精一杯。
買い物は、家から500m程のスーパーにも車で行くのがやっと。
それも週に1回行けるか、行けないか。
体も動かない、頭も動かない。
今まで1~2時間で出来ていた事が、何日も掛かるのです。
『もう何日休んでる?何日どころか何ヶ月やん…。
仕事もしないで家に居て、まともに出来る事何一つ無い…。
仕事も出来ない、家事も出来ない。
妻として、母として、何も出来てない。
人として何か出来てる?』
一日のほとんど横になっているのに、昨日と何も変わっていない。
変わっていないどころか、昨日より不調な事もある。
風邪を引いて熱が出た時でも、日に日に良くなるのは実感出来ていた。
年齢と共に回復に時間は掛かるようになったけれど、それでもじわじわ良くなっていった。
それなのにどう?まるで80代の体力。
いや、世の中の80代の人の方がもっと元気…。
残りの人生ずっとこの状態?
とにかく情けない気持ちでいっぱいでした。
脳はお祭り騒ぎで大忙し。
最近、ME/CFSが脳神経の炎症によるもの、と証明されたようです。
日本医療研究開発機構(AMED)障害者対策総合研究開発事業 神経・筋疾患分野「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班 ホームペー
脳神経の炎症なのですから、色々不具合が起こってしまいます。
私の体験と照らし合わせると、脳が何に対しても過敏になっていて、僅かな刺激にも過剰に反応してしまう。
よってエネルギーが大量に消費される。
体は使えなくなったスマホのバッテリー状態で、充電するのに時間がかかる、なかなかフル充電にならない、すぐに電池切れになる。
そう考えると全て納得できます。
例えば、テレビを見ているとしたら、
目に関係する脳の部分は「1画素も見逃せへんでぇ~!何なら画面の向こう側まで見てやるでぇ~!」と必死。
耳に関係する部分は「ノイズだって聞き分けてやるんだから!任せといて~。」と張り切っている。
本人の意思とは全く関係なく、脳内は常にお祭り騒ぎ状態なのだと思います。
だからエネルギーの消耗が激しく、異様に疲れる。
テレビを付けたままパソコンで何か調べるとか、
音楽を聴きながら本を読むとか、
同時進行で何かをすると、更に情報量が増え、
処理する事も増えるので、もっともっと疲れる訳です。
本人はくつろいでいるつもりでも。
こんなことがありました。
朝ほんの少し、サラサラの鼻水が出ました。
多くの患者さんのブログに“風邪をひくと大変な事になる“と書いてあったので、
即座に耳鼻科に行って、抗生剤も含む薬を出してもらいました。
通常ほんの少しの鼻水程度では出されない薬です。
大変な事にならない様に帰宅後すぐに飲みました。
朝・昼・晩ときっちり。
夜になって左目の奥から頬の奥、いわゆる鼻腔がガンガン痛くて目が覚めました。『えーーっ⁉』です、ホント。
これはもう副鼻腔炎の痛さだわと、鼻をかんでみたらサラッサラの透明。
『なんでやねん!こんな痛さ黄色いドロッとした鼻水のはずやろ!』
朝の鼻水の時点で、鼻は何かを感知したんでしょうね。
その僅かな刺激を脳は『何かえらいことになってますよー!』と大騒ぎしたのだと思います。
元々酷くならないように前もって薬を飲んでいたのですから、黄色い鼻水が出ることはなく、サラッサラの透明鼻水も直ぐに止まりました。
目の奥から鼻腔の痛みも、一日で治まりました。
が、その翌日38℃の熱。『なんでやねーん!』
鼻の感知、痛みの発生から熱を出す…伝達機能に携わる神経とは連携がうまくいかなくなっているのでしょうか。
『あれっ?遅れた?今気が付いたからとりあえず熱出しとく。』みたいな。
自分の体で感じている事と、数値や症状で表れている事が一致しない事は、沢山ありました。
体温もそうだし、疲労感もそうだし。
専門医との対面と症状の具体例。
紹介状をもらって、嫌になった医師とはおさらば!と思っていたのですが、
専門医の居る病院に予約の電話をすると、
まず今かかっている医師から紹介状を専門医に送ってもらい、
その内容を見て診察するかどうか判断し、
診察するとなってから予約を取るとの事でした。
『えーっ!マジで⁉そんなハードルがあるなんて…。』
不本意でしたが、もう一度それまで通っていた医師の所へ、専門医にfaxしてもらうようにお願いに行きました。
休職の延長もしないといけないので、診断書も書いてもらいました。
幸い専門医に診てもらえる事になりましたが、紹介状をもらってから2ヶ月待ちました。
やっと専門医の初診の日がきました。受付を済ませて、看護師さんの案内で血圧測ったり、体温測ったり。
診察前だったか診察後だったか定かではありませんが、採血もしました。
名前を呼ばれて診察室へ。
いつから症状が出ているのか?と症状の具体例を聞かれました。
【倦怠感】
インフルエンザの一番しんどい時がずっと続いてる状態。
何日寝てても良くなる事がない。何をしてもすぐ疲れる。
お風呂で湯舟に浸かると、上がる時には這って出なければいけない状態になる。
【熱】
常に37℃~37.8℃の間で行ったり来たり。
『わっ、今日はめちゃしんどい、絶対熱あるわ。』と思っても37℃だったり、
逆に『もしかして今日は熱ないんじゃないかな。』と思って測ると37.8℃だったり、体感と数字が合わない事も多い。
【痛み】
筋肉を上から下から斜めにギューッと、金属製の熊手で掻かれているような痛みが、肩から背中一面にある。
扁桃腺が腫れている時程ではないけど、常に喉が痛い。
【記憶力の低下】
うつむいてシャワーを頭に掛けていて
『あれっ、シャンプー流してる?リンス流してる?まだ何もしてない?』と全く思い出せない事が度々。
分からなくなってシャンプーから始めて、また何を流してるのか分からなくなる事もある。
【思考力の低下】
作業の流れを組み立てる事が出来ない。
味噌汁を作りながらおかずを作る事が出来なくなった。
お湯を沸かしてる間に野菜を切るとか、二つ以上の事を同時進行させる事も出来ない。効率良くしよう考えると頭が混乱して、結局何も出来ない。
【睡眠障害】
過眠か不眠かのどちらかしかなく、6時間~8時間の睡眠がない。
夜10時に寝て朝8時に起き、更に昼寝も2~3時間。
こんなに寝てたら夜眠れないだろうと思っても全然関係無く、また10時間以上寝る。
そうかと思えば全く眠れない。
新聞配達のバイクの音を聞いてから2時間位寝ただけで、
さぞかし今夜は早く寝るだろうと思いきや、また眠れない。
過眠と不眠が交互にくるならまだ分かるような気もするが、
全くランダムでさっぱりわからない。
【リンパの腫れ】
これはドクターに指摘されて気が付いたのですが、
耳の下や顎の裏、首筋等にありました。
【体重の減少】
ここに来るまでに5㎏痩せた。
休職して1ヶ月過ぎた辺りでやっと減少は止まった。
【光に敏感】
パソコンやスマホ画面が眩しくて見れない。
専門医は
「私の所へ来たからと言って、急に良くなる事はないよ。
正直言って完治は難しい病気だからね。気長に、気長にね。」
私も紹介状をもらってからこの日まで、ネットでME/CFSについて調べたり、患者さんのブログを読んだりして、難病という活字を目にしていたので、薄々そうなのかなとは思っていましたが、専門医の口から完治は難しいと聞いて、複雑な気持ちになりました。
だって…病名付けた初めの医師は
「1ヶ月もしたらピンピンしてるよ。」って言ったじゃん!
「心療内科行って!」ってしんどいのは鬱のせいみたいに言ったじゃん!
でも、専門医がそう言っているんだから、私は間違いなくME/CFSで…。
でも、専門医だからちゃんと治療できるって事よね…。
そんな事が頭の中でグルグル回っていました。
「あっ、先生?体温の記録、しておく方がいいんですか?」
「そんな事しなくていいよ、そういう病気だから。」